ノスタルジックな魅力溢れる茅ケ崎「ラチエン通り」

茅ケ崎の海まで続く通りには、「雄三通り」や「サザン通り」といった茅ケ崎に所縁のある人物から名前がついていることが多く、個性的な名前がついています。

その中でも「ラチエン通り」と名付けられた通り、茅ケ崎市民なら知っている方も多いと思いますが、この通りの名前の由来ってご存じでしょうか?

今回は「ラチエン通り」を歩きながら調べてみる事にしました!

ラチエン通りの歴史

ラチエン通りは国道1号の松林中学校入口から、海沿いの国道134号までの約2.14㎞の道です。
茅ヶ崎駅からは、南口を出て桜道を真っすぐ歩くこと15分程で「ラチエン通り」に交差します。

昔の農道を元に作られた蛇行した道の多い茅ケ崎において、海までほぼ真っすぐに通ったこの道はちょっと珍しく感じませんか?
それもそのはず、この通りは意図的に作られた通りなんです。

「ラチエン通り」の歴史は、1664年まで遡ります。
漁業権を巡る村同士の争いをうけ、幕府が烏帽子岩を目印にして真っすぐ境を定めたことでこの道は作られました。江戸時代初期の頃に作られたなんて、とても歴史の深い道なんですね。

今でも通りからは真っすぐに海と烏帽子岩を見ることができ、人気の写真スポットにもなっていますよね。

「ラチエン通り」という名は、1932年にこの通り沿いにドイツ人貿易商「ルドルフ・ラチエン」が広大な敷地の別荘を構えていたことに由来しています。

当時は、この通りにラチエンが桜並木を植えたことから「桜道」と呼ばれていたそうです。
地域貢献と自身の好きな日本文化に敬愛の意を込めて桜を植えたとも言われていて、ラチエンがどれほどこの茅ケ崎の地が好きだったのかを感じることができます。

ちなみに交差している現在の「桜道」の由来はここからきているそうで、茅ケ崎にとってもラチエンは大きな影響を与えたようですね。

新旧のアンバランスさが魅力

ラチエン通りは、駅から少し離れている事もあり観光を目的としたお店はちょっと少なめで、スーパーやドラックストア、郵便局、クリニックなどの生活に必要なお店が少しづつ建ち並ぶ、茅ケ崎市民に欠かせない通りです。

明治時代に茅ヶ崎駅が開通したことでこの辺りは別荘地として開発され、別荘地向けに建てられたと思われる老舗商店が今でも残っています。

一方で新しいお店も点在していて、老舗店と新しいお店が建ち並ぶ姿は不思議なレトロ感を漂わせます。

老舗のお肉屋と、奥にあるのは最近発見して気になっているスムージーのお店です。
朝の散歩なので、残念ながらまだお店はどこも開いていません。

茅ケ崎の通りには、新しいお店がちょこちょこできていることが多く、ここ「ラチエン通り」も、お散歩するたびに雑貨屋や居酒屋など気になるお店を発見できる魅力的な通りです。

じっくり見て歩くと、写真を撮りたくなる物が多く、散歩していて飽きません。

蕎麦屋の前に設置された、お蕎麦やうどんが売っているちょっとめずらしい自動販売機を発見。思わず写真を撮ってしまいました。
今度買ってみたいと思います♪

閑静な住宅街の中には、茅ケ崎の著名人である作家の開高健さんの記念館があります。

茅ケ崎ゆかりの人物館が隣接しており、ゆったりとした展示施設で落ち着いた雰囲気です。どちらも週末しか開館していませんのでご注意ください。

以前こちらのブログでも紹介されていた「茅ケ崎ゴルフ倶楽部」もラチエン通りにあります。

海が目の前なので、潮風を感じながらコースをまわるのは気持ちがよさそうですね♪

通りの終点には、現在マンションになっていますが、サザンの歌でも有名な「パシフィックホテル」の跡地があります。

国道134号から見たラチエン通りは、まっすぐにのびた気持ちのいい道です。

菱沼海岸は写真スポットとしてもおススメ

海に到着しました!
散策しながら歩くと意外とあっという間に着いちゃいます。

烏帽子岩が正面に見える、これぞ茅ケ崎といった景色です。

防砂林の中を歩く「なぎさ散歩道」は鵠沼海岸から大磯町までの11.4㎞もの長さがあるそうです。そんなに長い距離があるなんて驚きです!
涼しいので、散歩休憩にはもってこいの場所です。

到着した菱沼海岸では、烏帽子岩を目の前にして左手に江の島、右手には富士山を眺めることができます。

私は茅ケ崎の海岸で、ここの景色が一番お気に入りです。

車や自転車に要注意

茅ケ崎の道はどこも狭い道が多いのですが、「ラチエン通り」も例に漏れず狭めの道が続きます。
それでも交通量はかなり多いので、散策の際は車や自転車にお気をつけてくださいね。

通りの至る所で、ラチエン通りの「ラッチー君」が見守っています♪

茅ケ崎市民の生活が垣間見える通り

交通量も多く、茅ケ崎市民にとって欠かせない生活道路でもある「ラチエン通り」。
名前の由来を調べてみると、ラチエン通りの意外な歴史を知ることができました。
歩いていると歴史とともに、茅ケ崎の日常風景を垣間見れます。

サーフィンショップの前でワンちゃんが水浴びしていました。湘南の茅ケ崎らしい光景に思わず写真を撮ってしまいました。

ゆったりとした時間の流れとノスタルジーな雰囲気漂う「ラチエン通り」、みなさんも散策してみてはいかがでしょうか?

ラチエン通り
住所:神奈川県茅ケ崎市松ヶ丘1-1-74(ラチエン通り公園)
アクセス:JR東海道線・相模線 茅ヶ崎駅南口から徒歩17分

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。