茅ヶ崎の東海道の名所!浮世絵に描かれた「南湖の左富士」と地元のシンボル「鳥井戸橋(とりいどばし)」

茅ヶ崎を散歩しながら、私がいつも思うことが2つあります♪

それは、「旧東海道の歴史を感じることが多いな」という事と「富士山がキレイに見える場所が多いな」ということ。

ふとした道の途中に歴史を感じる史跡があったり、晴れた日に目をあげると目の前の富士山の雄大な姿に感動したり。

そのことを感じながら歩くと、いつもの「茅ヶ崎散歩」がより楽しくなってくるから不思議です!

そんな茅ヶ崎を代表する東海道の史跡・景勝のひとつ「南湖(なんご)の左富士(ひだりふじ)」をみなさんはご存知ですか?

茅ヶ崎の風景が昔から美しかったことを再確認できるこの史跡。

今回ご紹介いたしますね!

地元のシンボル!鶴嶺神社参道の鳥居と「鳥井戸橋」

茅ヶ崎駅近くの一里塚を過ぎ、国道1号線を平塚方面にすすむと、交差点付近に現れる大きな赤い鳥居。

ご存知の方も多いのではないでしょうか?

この鳥居は茅ヶ崎「鶴嶺(つるみね)神社」の参道の鳥居。

この鳥居をくぐると松並木の参道が約1キロほど続きます。

意外なのが車も参道を通れること。

私ははじめてこの交差点を訪れた時、鳥居の中に車が入っていく光景を見て、すこし驚いてしまいました!

鳥居の右側には「千の川」が流れています。

国道一号線に架かる橋は「鳥井戸橋(とりいどばし)」と呼ばれ、赤い大鳥居と合わせて地域のシンボル的な存在となっています。

浮世絵に描かれた!東海道の景勝「南湖の左富士」

ある日周辺をのんびり散歩していたら、鳥井戸橋のたもとにこんな碑を発見しました!

石でできた立派な碑には「南湖の左富士之碑」と大きな字で描かれています。

南湖(なんご)とは、この辺りから西浜海岸付近までのかなり広い地域の地名。

案内板によると、東海道を旅していた浮世絵師の安藤広重が、この辺りで左側に見える富士山と松原、現在の下町屋付近の街道沿いの風景を描いたとのこと。

なんと歌川(安藤)広重の浮世絵に、ここからの風景が描かれていたんです!

そのタイトルは五十三次名所図会藤沢「南湖の松原左富士」。

有名な東海道を描いた浮世絵に、ここ茅ケ崎が描かれていたことを私はこの時まで知りませんでした!

「左富士(ひだりふじ)」とは、東海道の街道を歩くときに通常右側に見える富士山が、左側に見えること。

ここと静岡県の富士市吉原だけ左側に見える事から、貴重な景勝地とされたそう。

現代では富士山がどちら方向に見えるかはあまり気にしない事が多い(!?)と思うのですが、江戸時代ではそれがとても大切なことだったのかもしれないですね。

「左富士」という言葉にも江戸の風情を感じます♪

茅ヶ崎が浮世絵に描かれた時代に思いを馳せ、私は何だか胸が熱くなりました!

夕焼けの「左富士」見られました!

せっかくなので「左富士」見てみたい!

そう思った私は、晴れた日はなるべく訪れるようにしていたのですが、富士山はなかなか完全な姿を現しませんでした。

ところがある夕方、鳥井戸橋に交差する「左富士通り」を通りかかったとき、夕焼けを背にした見事な富士山に遭遇する事ができたのです♪

「南湖の左富士之碑」のある鳥井戸橋は写真手前の右側に位置しています。そこから見る景色はまさに「左富士」!

過去に東海道を旅して、茅ヶ崎を通った人びとは、見事な「左富士」の姿にきっと長旅の疲れを癒やしたことでしょう。

地元茅ヶ崎と東海道の歴史をもっと知りたいな♪

「南湖の左富士之碑」との出会いで、これからの日々の「茅ヶ崎散歩」がますます楽しみになってきました。

みなさんもぜひ「南湖の左富士之碑」を訪れて、茅ヶ崎の東海道の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

(見事な「左富士」も同時に見ることができますように!)

南湖の左富士之碑

住所:神奈川県茅ヶ崎市南湖1(鳥井戸橋)付近
アクセス: JR東海道線・相模線茅ケ崎駅北口からバス乗車約6分、町屋下車徒歩約1分

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。