「鎌倉殿の13人」ファン必見!茅ケ崎の頼朝落馬ゆかりの地「国指定史跡 旧相模川橋脚」

みなさんはNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」をごらんになっていますか?

鎌倉幕府を擁立した大泉洋さん演じる源頼朝が落馬事故で死去し、鎌倉幕府での権力争いの混乱が始まるきっかけとなりましたね。

鎌倉幕府の歴史書「吾妻鏡」によると頼朝の死のきっかけとなった落馬事故は、相模川にかけられた「橋」の渡り初めに訪れた帰途の出来事であったそうです。

茅ヶ崎市の下町屋にある国の史跡「旧相模川橋脚」は、なんと鎌倉時代のその橋の「橋脚」の遺跡であるとされています。

NHK大河「鎌倉殿の13人」ファンならぜひ訪れたい、源頼朝ゆかりの茅ケ崎の歴史遺産「旧相模川橋脚」について今回はご紹介いたしますね!

国道1号線沿いの碑が目印!「旧相模川橋脚」

茅ヶ崎市内の鳥井戸橋付近から、国道1号線に沿って平塚方面に歩いていくと、途中にこのような案内板があらわれます。

「200m先、旧相模川橋脚」

近くを通りかかる度に、「橋脚」が国指定史跡になっているのはどうしてだろう?と疑問に思っていました。

私は今回「鎌倉殿の13人」が放送されるにあたり、茅ケ崎市のゆかりの地として紹介されているのを目にして、はじめて頼朝が落馬するきっかけとなった橋の貴重な遺跡であることを知ったのです。

そのまま国道1号線を200mほど進むと、道沿いに大きく「国指定史跡 旧相模川橋脚」と書かれた立派な碑が現れました!

場所は小出川沿いの「ニトリ茅ケ崎店」の目の前となりますので、目印にしてみるといいかもしれません。

ちなみに、相模川は現在は大きく流れを変えていて、橋脚のある場所は相模川からは離れた場所となっています。

整備された緑多い歴史スポット!散策や休憩にも

それではさっそく「国指定史跡 相模川橋脚」エリアにはいってみましょう!

国道1号線から史跡の碑の前を左側に入っていくと、公園のように整備された緑と水辺のエリアが現れました!

真夏の日差しがまだ残る中、緑と水辺が涼しげなこの場所はなんだか心癒されます。

四角い池のような水辺には、丸太が何本か顔を出していて、不思議な光景。

これが「旧相模川橋脚」の橋杭なのでしょうか?

水辺のそばの地面にはこのような案内図がありました。

こちらによると、やはりあの丸太のようなものは「旧相模川橋脚」であるとのこと。

鎌倉時代の本物の橋の史跡を目の前でみることができるなんて、感激もひとしおです♪

関東大震災で水田から出現!鎌倉時代の貴重な史跡

橋脚のある水辺から少し離れたスペースに、橋脚や相模川、地域の歴史がわかる模型と解説文を記したオブジェがありました。

そちらによると、橋脚は1923年の関東大震災と翌年の余震の影響で、当時水田だったこの場所から太い木の柱が出現したとのこと。

出現後に歴史学者により「吾妻鏡」などから、これは「鎌倉時代にかけられた橋の橋脚」と考証されたんだそう。

このような中世の橋の橋脚は全国にも例が少なくて、大変貴重な史跡なんだそうです!

オブジェの中には、明治時代の地形をかたどった地図模型もありました。

中央付近に小さく「現在地」とあるのが、この橋脚部分。

このころは大きく蛇行して流れていた相模川とすでにだいぶ離れた場所にある事も良く分かります。

また気になったのが、明治時代の地図上の地名。

「今宿村」「下町屋村」「柳島村」など、現在の茅ケ崎の地域名と全く変わっていないのがなんだか印象的でした!

頼朝が「渡り初め」!「旧相模川橋脚」の橋

エリア内の水辺のほとりには、橋脚の歴史から出現、整備の様子などを記した詳細な案内板があり、「鎌倉殿の13人」ブームもあってか何人もの人が見入っていました!

案内文によると、この橋脚の遺跡は1198年に源頼朝の家臣稲毛重成が亡き妻の供養のために架けた橋と考えられているそうです。

その「渡り初め」をつとめた源頼朝。

その帰途に落馬し、その後まもなく亡くなったと「吾妻鏡」には記されているとのこと。

「旧相模川橋脚」はこうした源頼朝ゆかりの貴重な歴史を持った遺跡であることが分かりました。

このように、橋脚の表面には切込みの後のようなものが残っており、ただの木の丸太ではないことを証明しています。

今は静かな茅ケ崎の地にあるこの橋脚の遺跡から、激動の時代であった鎌倉時代の武士たちの叫びが聞こえてくるような気がして、私は思わず耳を澄ましてしまいました。

「旧相模川橋脚」の史跡は、鎌倉時代の歴史だけでなく地元茅ケ崎の歴史や地理も学べて、お子さんの夏休みの自由研究の題材にもとてもおすすめです!

入場料もなく誰もが気軽に入る事ができるので、まだ見ていない方はぜひ、茅ヶ崎の誇る日本の史跡「旧相模川橋脚」を訪れてみてくださいね。

史跡・天然記念物 旧相模川橋脚

住所:神奈川県茅ヶ崎市下町屋一丁目
TEL:0467-82-1111(茅ケ崎市教育推進部 社会教育課 文化財保護担当)
アクセス: JR東海道線・相模線茅ケ崎駅北口から平塚行きバスに乗車
「今宿」バス停徒歩約5分

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。